ほくろの診察と除去

ほくろ(色素性母斑)は、メラニンを作る細胞が集まってできる、良性のできものです。ほとんどは心配のないものですが、まれに、ほくろに見える悪いもの(皮膚がん)があります。

当院は形成外科・皮膚科のクリニックです。まず悪いものでないかを確かめ、切って取る方法(切除)か、レーザーで削る方法かを、ほくろの大きさ・深さ・場所でご提案します。病気として取る切除は、保険診療です。

形成外科・皮膚科のクリニックで、医師が診察し、手術を行います

ほくろとは悪いものとの見分け取り方病理検査費用傷あとの経過リスクよくある質問

はじめに知っておきたいこと

ほくろとは?
メラニンを作る細胞(母斑細胞)が集まった、良性のできものです。生まれつきのものと、あとからできるものがあります。
取り方は2つ
切って取って縫い合わせる方法(切除)と、炭酸ガスレーザーで削って取る方法があります。取り方を見る
保険は使える?
病気として切除する場合は、保険診療です。見た目を整えるためのレーザーは自由診療です。費用を見る
検査
切除したほくろは、顕微鏡で調べる検査(病理検査)に出せます。レーザーで削ると組織が残らないため、検査はできません。
早めに受診してほしいとき
急に大きくなる・形がいびつ・色にむらがある・足のうらや爪に出て広がる、などのときは早めにご相談ください。見分け方

ほくろとは

ほくろは、医学的には色素性母斑・母斑細胞母斑と呼ばれます。メラニンを作る細胞の仲間(母斑細胞)が、皮膚の中に集まってできた良性のできものです。

生まれつきあるもの(先天性)と、子どものころから大人になるまでの間にできてくるもの(後天性)があります。平らなもの、盛り上がったもの、毛が生えているものなど、形はさまざまです。

母斑細胞は、皮膚の浅い所(表皮と真皮の境目)にあるものから、真皮の深い所まで入り込んでいるものまであります。どのくらい深いかで、取り方や、取ったあとの再発のしやすさが変わります。

悪いもの(皮膚がん)との見分け

ほくろに似た見た目の皮膚がんに、悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞がんがあります。日本皮膚科学会の一般向けの解説では、次のような特徴が2つ以上あてはまる場合は、皮膚科専門医への受診をすすめています。

見る所気をつけたい特徴
形左右が非対称・いびつ
ふち境目がぎざぎざ・にじみ出している
色色にむらがある(濃い所と薄い所がまざる)
大きさ6mmをこえる
変化大きさがどんどん大きくなる・形や色が変わる・出血する

足のうら・手のひら・爪

日本人の悪性黒色腫は、足のうら・手のひら・手足の爪にできるもの(末端黒子型)が多いとされています。足のうらのほくろが広がってきた、爪に縦の黒い線が出て太くなってきた、などのときは、早めにご相談ください。

診察でのチェック

診察では、医師がほくろの形・色・大きさ・色の並び方などを確かめます。ただし、見た目だけですべてを見分けられるわけではないため、心配があるときは切除して病理検査に出します。

見分け方は、日本皮膚科学会の皮膚科Q&A「メラノーマ」「アザとホクロ」をもとにしています。

ほくろの取り方

ほくろの取り方には、主に次の方法があります。

① 切って取る方法(切除・縫合)

ほくろのまわりの皮膚を、しわの向きに合わせて細長い木の葉の形に切り、ほくろを根もとまで取り除いて、縫い合わせます。取ったほくろは、病理検査に出せます。

大きいほくろ・深いほくろ・悪いものの心配があるほくろに向いています。線状の傷あとが残りますが、形成外科として、しわの向きにそって目立ちにくいように縫い合わせます。

② くり抜く方法

円い筒の形の刃で、ほくろをくり抜いて取る方法です。一般に、小さなほくろに使われることがあります。

③ 炭酸ガスレーザーで削る方法

皮膚の断面の模式図。炭酸ガスレーザーの光が水分に吸収され、皮膚の表面が浅く蒸散する

上の図のように、レーザーで皮膚の表面から少しずつ削って取ります。線状の傷にならず、出血も少ない一方、組織が残らないため病理検査はできません。深いほくろは、1回で取り切れない・あとで色が戻ることがあります。

小さく浅いほくろで、悪いものの心配が少ないものに向いています。くわしくは炭酸ガスレーザー(ほくろ・イボ)のページをご覧ください。

下の図は、ほくろの細胞がある深さと、切除とレーザーで取る範囲の違いを表した模式図です。

皮膚の断面の模式図。ほくろの細胞は真皮の深くまで入ることがあり、切除は細胞のある範囲を根もとまで取り、レーザーは表面から削る
方法よいところ気をつけること
切除(縫合)根もとまで取れる・病理検査ができる線状の傷あと・抜糸がある
炭酸ガスレーザー線状の傷にならない・出血が少ない病理検査ができない・深いほくろは色が戻ることがある

表は方法の違いを並べたもので、どちらが優れているかを示すものではありません。ほくろの大きさ・深さ・場所と、病理検査が要るかどうかで選びます。

病理検査(取ったほくろを調べる検査)

切除したほくろは、病理検査(顕微鏡で細胞を調べる検査)に出すことで、ほくろだったのか、ほかのできもの(悪いものを含む)だったのかを確かめられます。

悪いものの心配があるときは、病変の全部を切り取って調べる「全摘生検」が行われます。レーザーで削った場合は、組織が残らないため、病理検査はできません。

当院では、切除したほくろは病理検査に出し、悪いものではないかを確かめます。病理検査の結果によっては、追加の手術や治療が必要になることがあります。

手術の流れ

  1. 受付
    ご予約・ご来院

    ご予約のうえ、ご来院ください。

  2. 診察室
    診察

    ほくろの形・色・大きさを診て、取り方と費用をご説明します。

  3. 処置室
    麻酔・手術(日帰り)

    局所麻酔をしてから手術をします。

    取ったあと、傷を縫い合わせて、テープやガーゼで保護します。

  4. お帰り
    お帰り・抜糸

    手術のあとは、そのままお帰りいただけます。

    抜糸は、手術から1〜2週間ほどあとに来院していただきます。

    抜糸のあと、傷あとをきれいにするために、約3か月、テープを貼る処置をすることがあります。

費用

切除(保険診療・3割負担の目安)

病気として切除する場合は、保険診療です。手術の費用は、ほくろの大きさ(長い方の直径)と場所によって決まります。

顔・首・頭・ひじから先・ひざから下

大きさ手術料(3割負担)
2cm未満約4,980円
2cm以上4cm未満約11,010円
4cm以上約15,030円

それ以外(胸・おなか・背中・腕・ももなど)

大きさ手術料(3割負担)
3cm未満約3,840円
3cm以上6cm未満約9,690円
6cm以上12cm未満約12,480円
12cm以上約24,960円

悪いものの心配がある・大きくなる・出血する・引っかかるなど、病気として切除する場合は保険診療です。見た目だけを整えるための切除やレーザーは自由診療です。

このほかに、診察料・麻酔や薬・病理検査などの費用が、別にかかります。

表の金額は、厚生労働省の令和8年度の診療報酬点数表(K005・K006 皮膚、皮下腫瘍摘出術)をもとに、1点10円で計算した手術料だけの目安です。

炭酸ガスレーザー(自由診療)

ホクロ 1個(〜2mm)3,300円(1mm増すごとに1,100円)(税込)。くわしくは炭酸ガスレーザーのページをご覧ください。

傷あとの経過とお手入れ

切除(縫い合わせる方法)の場合

時期経過
手術の直後〜抜糸まで傷をテープで保護します。赤み・腫れが出ることがあります
抜糸のあと傷が赤く、少し硬く感じることがあります
数か月〜赤みや硬さが少しずつやわらぎ、目立ちにくくなっていきます。傷あとが落ち着くまでには時間がかかり、残り方には個人差があります
  • 手術の当日は、お風呂(湯ぶね)には入らないでください。シャワーは浴びられますが、傷はぬらさないようにしてください。
  • 手術の当日は、お酒をひかえてください。
  • 抜糸までの間は、長いお風呂・サウナ・激しい運動をひかえてください。
  • 抜糸のあと、傷が横にひっぱられないよう、約3か月、テープで固定することがあります。傷あとを目立ちにくくするためです。
  • 日焼けをさけると、傷あとが茶色くなりにくくなります。
  • 出血が多い・赤みや腫れや痛みが強くなる、傷が赤く盛り上がってきた、などのときは、ご連絡ください。

炭酸ガスレーザーの場合

照射したあとは、皮膚がジュクジュクとした擦り傷のような状態になります。この間は、軟膏を塗り、ガーゼとテープで保護します。

傷を乾かしてかさぶたを作ると、跡が残る原因になります。かさぶたを作らないようにして、ジュクジュクした感じが完全になくなり、皮膚がきちんとできるまで、お手入れを続けてください。

皮膚ができたあとも、しばらく赤みがあり、少しずつ薄くなっていきます。

  • 1日2回、綿棒でワセリンを塗り、ガーゼとテープを交換してください。
  • テープがぬれたり、はがれたりしたら交換してください。
  • お手入れは2週間続けてください。
  • 洗顔は、テープの上からしてください。
  • 照射した所を強くこすったり、マッサージをしたりしないでください。
  • 当日から、お風呂・シャワーに入れます。長いお風呂・サウナ・激しい運動はひかえてください。
  • 紫外線対策をしっかりしてください。皮膚ができたあとも、赤みが引くまでは紫外線対策を続けてください。
  • 痛み・赤み・腫れが強くなる、膿が出るなど、いつもと違うときはご連絡ください。

リスク・副作用

起こりうるリスク・副作用
  • 手術のあとに、痛み・腫れ・内出血・赤みが起こることがあります。
  • 傷の中に血がたまる(血腫)ことがあります。
  • 傷に細菌がついて赤く腫れる(感染)・傷が開くことがあります。
  • 傷のまわりに、しびれや、さわった感じが鈍くなる(知覚鈍麻)ことがあります。
  • 切除では、線状の傷あとが残り、完全に消えることはありません。傷あとが赤く盛り上がる(肥厚性瘢痕・ケロイド)・広がる・茶色くなることがあります。鼻と上唇の間などは、ケロイドになりやすいとされています。
  • ほくろの細胞が残っていた場合、再発することがあります。取り切れなかった場合や再発した場合は、もう一度手術が必要になることがあります。
  • 病理検査の結果によっては、追加の手術や治療が必要になることがあります。
  • これらの症状があるときは、受診してください。
炭酸ガスレーザーで起こりうるリスク・副作用
  • 感染・出血・色素沈着(茶色くなる)・へこんだ傷あと(陥凹性瘢痕)・色が白く抜ける(色素脱失)・ケロイドになる、などが起こることがあります。これらの症状があるときは、ご連絡ください。
  • 深いほくろは、再発することがあります。
  • 1回で取り切れない場合や再発した場合は、2回目の照射や、切除(手術)をおすすめすることがあります。
  • 傷あとがへこんだり、白く残ったりすることがあります。
治療を受けられないことがある方
  • 次の方は、治療を受けられないことがあります。事前にお知らせください。
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 心臓の病気がある方、ペースメーカーや埋め込み式除細動器を使っている方
  • 糖尿病の合併症がある方
  • 膠原病など、自己免疫の病気がある方
  • 出血しやすい病気がある方、ワーファリン・アスピリンなど血液をさらさらにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を飲んでいる方
  • ステロイドや免疫抑制剤で治療中の方
  • いま治療中の病気がある方
  • 薬のアレルギーがある方
  • 光過敏症の方
  • 治療する所に、腫れ・炎症・感染症がある方
  • 治療する所に、金の糸や金属のプレート、シリコンが入っている方
  • 最近、ヒアルロン酸注入やスレッドリフトを受けた方
  • ケロイドのある所の治療を希望する方、ケロイド体質の方
  • ヘルペスウイルスに感染している方
  • 日焼けをしている方
  • 治療する所に、入れ墨(タトゥー)がある方
  • 診察のうえ医師が不適当と判断した場合は、施術をお断りすることがあります。

よくある質問

ほくろは何科に行けばいいですか?
形成外科・皮膚科で診ています。当院は形成外科・皮膚科のクリニックで、診察から手術まで行っています。
このほくろは悪いものですか?
見た目だけでは分からないこともあります。医師が診察して確かめ、心配があるときは切除して病理検査に出します。気になるほくろは、お早めにご相談ください。
保険は使えますか?
悪いものの心配がある・大きくなる・出血する・引っかかるなど、病気として切除する場合は保険診療です。見た目だけを整えるための切除やレーザーは自由診療です。
切除とレーザーは、どちらがよいですか?
大きさ・深さ・場所と、病理検査が要るかどうかで変わります。どちらが優れているということではありません。診察でご提案します。
傷あとは残りますか?
切除では線状の傷あとが残り、完全に消えることはありません。形成外科として、しわの向きにそって目立ちにくいように縫い合わせますが、残り方には個人差があります。
手術は痛いですか?
局所麻酔をして行います。麻酔の注射のときにチクッとした痛みがあります(感じ方には個人差があります)。
手術は日帰りですか?
日帰りの手術です。手術のあとは、そのままお帰りいただけます。
ほくろはまた出てきますか?
取ったほくろの細胞が残っていた場合、再発することがあります。また、別の場所に新しいほくろができることもあります。
小さいほくろでもがんになりますか?
小さいほくろがすべて安全とは言い切れません。急に大きくなる・形や色が変わる、などの変化があるときは、大きさにかかわらずご相談ください。
顔のほくろでも取れますか?
取れます。顔は目につきやすい場所なので、傷あとが目立ちにくい向き・方法を考えます。

料金表・アクセス

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〈診療時間〉
月・火・水・金 9:30~17:30 / 土曜 10:00~13:30
※受付は診察終了の30分前までです。
※営業日が祝日でも、原則営業しております。

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当院は保険・自費診療とも完全予約制となります。
当日診療ご希望の際はお電話を頂ければと存じます。

※お問合せメールを利用した固有のサービスに関する営業メールはお断りします。