はじめに知っておきたいこと
- どんなもの?
- 皮膚の下にできた袋に、角質や皮脂がたまったものです。基本的には良性のできもので、別名を表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)・アテロームといいます。
- 自然に治る?
- 袋の中身は外に出ていかないため、自然に消えることはなく、時間とともに少しずつ大きくなっていきます。
- 治療は?
- 根本から治すには、皮膚を切開して袋ごと取り出す手術をします。赤く腫れているときは、まず炎症を抑える治療をします。手術の方法
- 費用は?
- 保険診療です。手術の費用は、できものの大きさと場所で決まります(3割負担で、手術料は約3,840円〜)。費用を見る
- 何科に行けばいい?
- 形成外科・皮膚科で診ています。当院は形成外科として、手術のあとの傷あとにも配慮して縫い合わせます。
粉瘤(アテローム)とは

粉瘤は、本来なら皮膚の表面から垢として剥がれ落ちるはずの角質や皮脂が、皮膚の下にできた袋の中にたまってできるできものです。脂肪のかたまりのように見えることがありますが、脂肪ではありません(脂肪のかたまりは「脂肪腫」という別のできものです)。
顔・首・耳のうしろ・背中・おしり など、体のどこにでもできます。触ると皮膚の下にしこりがあり、中央に黒い点のような小さな穴(開口部)が見えることがあります。
強く押すと、開口部から臭いのある、どろっとした中身が出てくることがあります。たまった中身は袋の外に出ていかないため、時間とともに少しずつ大きくなります。
粉瘤ができる原因
粉瘤ができる理由は、すべてが分かっているわけではありません。毛穴の入り口の部分が皮膚の内側にもぐりこんで袋になる、小さな傷やにきびのあとがきっかけになる、などと考えられています。
体質や年齢に関係なくでき、清潔にしていてもできることがあります。生活の工夫で確実に防ぐ方法は、今のところ分かっていません。
粉瘤の見分け方(似ているできもの)
| できもの | 特徴 |
|---|---|
| 粉瘤(表皮嚢腫) | 皮膚の下の袋に角質がたまる。中央に黒い点が見えることがある。押すと臭いのある中身が出ることがある |
| 脂肪腫 | 脂肪の細胞が増えたやわらかいかたまり。皮膚の表面に穴はない |
| にきび・おでき(せつ) | 毛穴に細菌が入って腫れる。数日〜で膿が出て治まることが多い |
| そのほか | 石灰化上皮腫・皮様嚢腫など、見た目が似ているできものがあります |
見た目だけで見分けにくいこともあります。診察では、触ったときの硬さ・動き・大きさ・場所を確かめ、必要に応じて詳しく調べます。
放っておくとどうなる?(炎症・化膿)
痛みや赤みがなく、小さいままの粉瘤は、すぐに治療をしなくても体に害はありません。ただし、自然に消えることはなく、少しずつ大きくなっていきます。
赤く腫れる(炎症性粉瘤)
袋が何かのきっかけで破れると、中身の角質が皮膚の中にこぼれ、体がそれを異物として反応して、赤く腫れて痛みます。そこに細菌がついて、膿がたまる(化膿する)こともあります。
炎症を起こすと、腫れが大きくなり、痛みや熱っぽさが出ます。炎症のあとは袋の周りが硬くなり、手術で取り除くときに傷が大きくなることがあります。
手術を考えたほうがよいとき
- だんだん大きくなっている
- 赤く腫れたことがある・くり返す
- においや中身が出てくる
- 服や下着にこすれて気になる
- 顔など目につく場所にあり、気になる
ごくまれに、粉瘤の一部が悪いもの(がん)に変わったという報告があります。急に大きくなった・硬さが変わった、などのときは早めにご相談ください。
自分で潰してもいい?
ご自分で潰したり、針で刺して中身を出したりするのは、おすすめしません。
中身を押し出しても、袋は皮膚の下に残るため、また中身がたまります。押すことで袋が破れ、炎症を起こして赤く腫れることもあります。指や針から細菌が入り、化膿することもあります。
気になるときは、触らずにそのまま受診してください。
赤く腫れて痛いときの治療
炎症を起こしているときは、まず腫れと痛みを抑える治療をします。
膿がたまっているとき
局所麻酔をして皮膚を小さく切り、膿や中身を出します(切開排膿)。そのあとは、傷の中をきれいに保つための処置に、何度か通っていただきます。
通院の回数と、傷の処置のしかたは、腫れの大きさによって変わります。診察のときにご案内します。
膿がたまっていないとき
飲み薬などで炎症が落ち着くのを待つことがあります。
根本から治すには
膿を出す処置だけでは袋が残るため、炎症が落ち着いたあと、あらためて袋ごと取り除く手術を考えます。
炎症が落ち着いてから手術までの期間は、腫れの具合を見て決めます。
手術の方法

粉瘤の手術は、皮膚の下の袋を、破らずにまるごと取り除くことが大切です。袋の一部が残ると、そこからまた中身がたまり、再発することがあります。
当院の手術の方法(切開して袋ごと取り出す)
当院では、粉瘤の上の皮膚を切開し、袋を破らずに、袋ごと取り出す方法で手術をしています。
皮膚は、しわの向きに合わせて細長い木の葉の形に切ることが多く、傷の長さは、できものの大きさより少し長くなります。袋を取り出したあと、傷を縫い合わせます。
大きいもの・炎症をくり返して周りとくっついているものも、この方法で取り除きます。
当院は形成外科として、傷あとがなるべく目立ちにくいように、切る向きや縫い方を工夫します。傷あとは時間とともに目立ちにくくなっていきますが、残り方には個人差があります。
取り出したものの検査(病理検査)
取り出した袋は、顕微鏡で詳しく調べる検査(病理検査)に出し、悪いものではないかを確かめます。
病理検査の結果によっては、追加の手術や治療が必要になることがあります。
手術の流れ
ご予約・ご来院ご予約のうえ、ご来院ください。
診察できものの大きさ・場所・炎症の有無を診て、粉瘤かどうか、手術の方法と費用をご説明します。
手術の日は、診察のときにご相談して決めます。大きさ・炎症の有無・ご予定によって、別の日になることがあります。
手術(日帰り)局所麻酔をしてから手術をします。麻酔の注射のときにチクッとした痛みがありますが、手術中の痛みは抑えられます。
袋を取り出したあと、傷を縫い合わせて、ガーゼで保護します。
お帰り・抜糸手術のあとは、そのままお帰りいただけます。
抜糸は、手術から1〜2週間ほどあとに来院していただきます。
抜糸のあと、傷あとをきれいにするために、約3か月、テープを貼る処置をすることがあります。
手術のあとの過ごし方
- 手術の当日は、お風呂(湯ぶね)には入らないでください。シャワーは浴びられますが、傷はぬらさないようにしてください。
- 手術の当日は、お酒をひかえてください。
- 抜糸までの間は、長いお風呂・サウナ・激しい運動をひかえてください。
- 痛みがあるときは、お渡しする痛み止めを飲んでください。
- 傷を強くこすったり、引っぱったりしないようにしてください。
- 抜糸のあとも、傷が赤い間は日焼けをさけると、傷あとが目立ちにくくなります。
- 出血が多い・赤みや腫れや痛みが強くなる・膿が出る・熱が出る、などのときは、早めにご連絡ください。
手術のあとの経過
手術のあとは、少しの出血・軽い赤み・腫れ・痛みが出ます。出血や痛みは、少しずつおさまっていきます。
抜糸のすぐあとの傷あとは、赤みと硬さがありますが、時間とともに赤みは薄く、やわらかくなっていきます。抜糸のあとにテープで傷あとを固定するのは、傷あとを目立ちにくくするためです。
費用(保険診療)
粉瘤の手術は、保険診療です。手術の費用は、国が決めた点数で、できものの大きさ(長い方の直径)と場所によって決まります。
手術の費用の目安(3割負担の場合)
顔・首・頭・ひじから先・ひざから下にできたもの
| 大きさ | 手術料(3割負担) |
|---|---|
| 2cm未満 | 約4,980円 |
| 2cm以上4cm未満 | 約11,010円 |
| 4cm以上 | 約15,030円 |
それ以外(胸・おなか・背中・おしり・腕・ももなど)にできたもの
| 大きさ | 手術料(3割負担) |
|---|---|
| 3cm未満 | 約3,840円 |
| 3cm以上6cm未満 | 約9,690円 |
| 6cm以上12cm未満 | 約12,480円 |
| 12cm以上 | 約24,960円 |
赤く腫れて膿を出す処置(切開)をするときは、10cm未満で 約1,920円(3割負担)です。
このほかに、診察料・麻酔や薬・取り出したものの検査(病理検査)などの費用が、別にかかります。1割・2割負担の方は、表の金額のおよそ3分の1・3分の2です。
大きさは、診察のときに測って決まります。くわしい金額は、診察のときにご案内します。
表の金額は、厚生労働省の令和8年度の診療報酬点数表(K005・K006 皮膚、皮下腫瘍摘出術/K001 皮膚切開術)をもとに、1点10円で計算した手術料だけの目安です。
自費(自由診療)になる場合
直径2mm以下の小さな粉瘤を、炭酸ガスレーザーで焼いて取る場合は、自費(自由診療)になります。レーザーで取る場合は、組織が残らないため、取ったものを顕微鏡で調べる検査(病理検査)はできません。料金は、1個 3,300円(直径2mmまで)です(料金表の炭酸ガスレーザーの「ホクロ・脂腺増殖症・隆起した血管腫」の行)。
リスク・副作用
- 手術のあとに、痛み・腫れ・内出血が起こることがあります。
- 傷の中に血がたまる(血腫)ことがあります。
- 傷に細菌がついて、赤く腫れる(感染)ことがあります。
- 傷のまわりに、しびれや、さわった感じが鈍くなる(知覚鈍麻)ことがあります。
- 傷あとが残ります。傷あとは、完全に消えることはありません。体質や場所によっては、傷あとが赤く盛り上がる(肥厚性瘢痕・ケロイド)・色が濃くなることがあります。
- 袋の一部が残ると、再発することがあります。炎症をくり返していた粉瘤は、袋がまわりとくっついていて、再発しやすいことがあります。
- 取り切れなかった場合や、まれに再発した場合は、もう一度手術が必要になることがあります。
- 病理検査の結果によっては、追加の手術や治療が必要になることがあります。
- 傷が開くことがあります。
- これらの症状があるときは、受診してください。
- 次の方は、治療を受けられないことがあります。事前にお知らせください。
- 妊娠中・授乳中の方
- 心臓の病気がある方、ペースメーカーや埋め込み式除細動器を使っている方
- 糖尿病の合併症がある方
- 膠原病など、自己免疫の病気がある方
- 出血しやすい病気がある方、ワーファリン・アスピリンなど血液をさらさらにする薬(抗凝固薬)を飲んでいる方
- ステロイドや免疫抑制剤で治療中の方
- いま治療中の病気がある方
- 薬のアレルギーがある方
- 光過敏症の方
- 治療する所に、腫れ・炎症・感染症がある方
- 治療する所に、金の糸や金属のプレート、シリコンが入っている方
- 最近、ヒアルロン酸注入やスレッドリフトを受けた方
- ケロイドのある所の治療を希望する方、ケロイド体質の方
- ヘルペスウイルスに感染している方
- 日焼けをしている方
- 治療する所に、入れ墨(タトゥー)がある方
- 診察のうえ医師が不適当と判断した場合は、手術をお断りすることがあります。
よくある質問
- 粉瘤は何科に行けばいいですか?
- 形成外科・皮膚科で診ています。当院は形成外科のクリニックで、診察から手術まで行っています。
- 粉瘤は自然に治りますか?
- 自然に消えることはありません。袋の中身が外に出ていかないため、少しずつ大きくなっていきます。
- 小さい粉瘤でも手術したほうがいいですか?
- 痛みや赤みがなく、気にならなければ、すぐに手術をしなくてもかまいません。小さいうちに取るほうが傷も小さく済むため、気になる場合はご相談ください。
- 自分で潰してもいいですか?
- おすすめしません。袋が残るのでまた中身がたまり、炎症や化膿のきっかけになります。くわしくは自分で潰してもいい?をご覧ください。
- 赤く腫れて痛いです。すぐに手術できますか?
- 炎症が強いときは、まず膿を出したり、炎症を抑えたりする治療をします。袋を取る手術は、炎症が落ち着いてから考えます。
- 手術は痛いですか?
- 局所麻酔をして行います。麻酔の注射のときにチクッとした痛みがありますが、手術中の痛みは抑えられます(感じ方には個人差があります)。
- 手術は日帰りですか?
- 日帰りの手術です。手術のあとは、そのままお帰りいただけます。
- 傷あとは残りますか?
- 切った所に傷あとが残り、完全に消えることはありません。当院は形成外科として、目立ちにくい向き・縫い方を工夫しますが、残り方には個人差があります。
- 粉瘤は再発しますか?
- 袋の一部が残ると、再発することがあります。そのため、袋を壊さずにまるごと取り除くことが大切です。
- 保険は使えますか?費用はいくらですか?
- 保険診療です。手術料は大きさと場所で決まり、3割負担で約3,840円からです。くわしくは費用をご覧ください。
- 顔にできた粉瘤も取れますか?
- 取れます。顔は目につきやすい場所なので、傷あとが目立ちにくいように、しわの向きに合わせて切るなど工夫します。
- 手術のあと、お風呂や仕事はどうなりますか?
- 手術の当日は、湯ぶねには入らず、傷をぬらさないようにシャワーだけにしてください。抜糸までの間は、長いお風呂・サウナ・激しい運動をひかえてください。デスクワークなどは翌日からできることが多いですが、体を大きく動かすお仕事は、場所によってご相談ください。
- 電話でのお問い合わせ・ご相談はこちら
-
- 06-6352-8008
- 《受付時間》9:30 - 17:00
〈診療時間〉
月・火・水・金 9:30~17:30 / 土曜 10:00~13:30
※受付は診察終了の30分前までです。
※営業日が祝日でも、原則営業しております。
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当院は保険・自費診療とも完全予約制となります。
当日診療ご希望の際はお電話を頂ければと存じます。※お問合せメールを利用した固有のサービスに関する営業メールはお断りします。
