けがをしたら、まずすること
- 傷口を、水道水でよく洗い流す(砂や泥を落とす)
- 清潔なガーゼやタオルで、傷口をしっかり押さえて血を止める
- 刺さった物は、自分で抜かない(深く刺さっているとき)
- 受診するまでは、自分の判断で薬を塗ったり、消毒を何度もくり返したりしない

形成外科の診療ガイドラインでは、傷の感染予防には水道水での洗浄が有効で、消毒薬や生理食塩水は必ずしも必要ではない、とされています。まずは水道水でしっかり洗うことが大切です。
すぐに救急へ行く目安
- 押さえても、血が止まらない・あふれるように出る
- 傷の奥に、骨のようなものが見える
- 指や関節が動かせない・しびれる
- 傷の先の指先が冷たい・青白い
- 頭を強く打った・意識がおかしい
このようなときは、ためらわずに救急車を呼ぶか、救急の医療機関を受診してください。迷うときは、救急安心センター(#7119)に相談することもできます。
形成外科を受診したほうがよい傷
- 傷が深い・傷口が開いている(皮膚の下の黄色い脂肪が見える)
- 顔のけが
- 砂や泥、アスファルトなどで汚れた傷
- ガラスなどの破片が残っていそうな傷
- 動物にかまれた傷
- 深い刺し傷
- 糖尿病などの持病がある方のけが
深い切り傷は、縫ったほうが早く治るとされています。顔の傷や、汚れた傷は、治ったあとの傷あとも考えて処置することが大切です。動物にかまれた傷は、ばい菌が入りやすい傷です。まずはお電話でご相談ください。
受診はいつまでに?
以前は、けがをしてから何時間以内に縫うのがよい、という目安が示されていました。現在の形成外科の診療ガイドライン(2021年版)では、単純な切り傷であれば、縫うまでの時間は、傷の感染には影響していないと考えられる、とされています。
ただし、けがをして数日たち、すでに化膿している傷は、縫うとかえって化膿がひどくなるため、縫えないことがあります。糖尿病がある方、押しつぶされたような傷などは、早めに処置したほうがよいとされています。
傷を縫うかどうか迷うときは、時間がたつ前に、できるだけ早く受診してください。
縫う・テープ・接着剤の違い
下の図は、傷の閉じ方の3つの方法を表した模式図です。

| 方法 | 内容 | 向く傷・注意 |
|---|---|---|
| 縫う | 糸で傷を閉じます。深い傷や、開きやすい場所の傷に向きます | 麻酔の注射・抜糸が必要 |
| テープで留める | 皮膚用のテープで傷を寄せて留めます | 浅い傷・子どもの顔の小さな傷などに。はがれると開くことがある |
| 医療用の接着剤 | 皮膚の表面を接着剤で閉じます | 処置の時間や痛みが少ない一方、傷が開くことがある |
形成外科の診療ガイドラインでは、皮膚用の接着剤は、縫ったりテープで留めたりする方法と比べて、処置にかかる時間や痛みを減らすのに役立つものの、傷が開くリスクを考える必要がある、とされています。
深い傷では、皮膚の下の層(真皮)を溶ける糸で縫い、表面を細い糸で縫う、二層の縫い方をすることがあります。傷にかかる力を分けて、傷あとが広がりにくいようにするためです。どの方法が合うかは、傷の深さ・場所・汚れ・年齢を見て決めます。
破傷風の予防
破傷風は、土の中などにいる菌が、傷から体に入って起こる病気です。土で汚れた傷や、深い刺し傷では、破傷風の予防を考えます。
形成外科の診療ガイドラインでは、年齢、傷の状態、予防接種の受け方、糖尿病の有無などを考えて、破傷風の予防を行うことが有効とされています。国内で破傷風の予防接種が始まった1968年より前に生まれた方などは、予防が必要になることがあります。
予防接種を受けた記録(母子手帳など)が分かる方は、お持ちください。
すり傷の治療
すり傷は、まず傷口の砂や泥を水道水で洗い流してきれいにすることが大切です。砂やアスファルトが傷の中に残ると、化膿しやすくなったり、治ったあとに黒っぽい色が入れ墨のように残ったり(外傷性刺青)することがあります。
傷の中に残った砂などは、治る前にできるだけ取り除きます。必要に応じて、麻酔をしてから洗ったり、ブラシなどで取り除いたりします。
すり傷は、乾かさずに、傷を覆って湿り気を保つ貼り物(創傷被覆材)や軟膏で治したほうが、早くきれいに治ると言われています。
抜糸と、治ったあとの傷あと
抜糸
縫った場合、表面の糸は、通常1〜2週間で抜きます。抜糸が遅すぎると、糸が通っていた穴のような傷あとが残ることがあるため、決められた時期に抜糸を受けることが大切です。
傷あとの経過
傷は、治ったあとしばらく赤く硬くなることが多く、1〜2か月をすぎたころから、ゆっくり赤みと硬さが落ち着いていくとされています。すり傷のあとは、2〜3か月ほど赤みが続くこともあります。
赤みがある間は、日光で茶色っぽい色がつきやすいため、日焼け止めや帽子、テープなどで紫外線を避けてください。傷にかかる力を減らすために、テープで固定することもあります。
傷あとは消えますか
一度できた傷あとを、完全に消すことはできません。形成外科では、傷あとを目立たなくすることを目指して処置をします。
子どものけが(とくに顔)
子どもの顔のけがは、治ったあとの傷あとが気になることが多いけがです。子どもの顔は血の流れがよく、比較的きれいな傷では、縫う以外に、テープで留める方法や医療用の接着剤を考えることもあります。
小さな子どもは、処置のときに動いてしまうことがあるため、麻酔や処置の方法を年齢に合わせて考えます。処置が難しい場合は、設備のある病院をご紹介することがあります。
子どもの医療費は、お住まいの市区町村の助成の対象になることがあります。
費用(保険診療)
けがの処置は、保険診療です。傷を縫う処置(創傷処理)の点数は、傷の深さと長さで決められています(令和8年度の点数表)。
| 内容(例) | 点数 | 3割負担の目安 |
|---|---|---|
| 筋肉や臓器に達しない傷・長さ5cm未満 | 530点 | 1,590円 |
| 同じ傷で、顔や手など露出部を真皮縫合した場合 | 530点+460点 | 2,970円 |
| 筋肉や臓器に達しない傷・長さ5〜10cm | 950点 | 2,850円 |
表の金額は処置料だけの目安です。実際には、診察料・麻酔・お薬・検査などが加わります。6歳未満のお子さまは、別の区分になります。
交通事故など、ほかの人の行為によるけがでも、健康保険で治療を受けられることがあります。その場合は、加入している健康保険への届け出が必要です。仕事中や通勤中のけがは、労災保険の扱いになります。交通事故のけがも診察しています。労災のけがは、受診の前にお電話でお知らせください。
よくある質問
- 消毒はしたほうがいいですか?
- まずは水道水でよく洗い流すことが大切です。ガイドラインでは、消毒薬は必ずしも必要ではないとされています。
- けがをして時間がたちましたが、縫えますか?
- 単純な切り傷では、縫うまでの時間は感染に影響しないと考えられています。ただし、化膿している傷は縫えないことがあります。できるだけ早く受診してください。
- 抗生物質(化膿止め)は必要ですか?
- 骨や深い組織に傷がない単純な傷では、予防のための抗生物質は有効とはいえない、とされています。傷の状態を見て決めます。
- 抜糸はいつですか?
- 表面の糸は、通常1〜2週間で抜きます。傷の場所によって変わります。
- 傷あとは残りますか?
- 傷あとを完全に消すことはできませんが、目立たなくなるように処置します。
- 子どもの顔のけがも診てもらえますか?
- 診ることができます。年齢に合わせて処置の方法を考えます。
- お風呂はいつから入れますか?
- 傷の状態と処置の方法によって変わります。処置のあとにお伝えします。
- ほかの病院で縫った傷の抜糸だけでもできますか?
- ご相談ください。縫った病院からの説明や、抜糸の予定日が分かるものがあればお持ちください。
- 刺さったとげやガラスが残っている気がします。
- 破片が残っていると、化膿や痛みの原因になります。自分で深くほじらずに、受診してください。
- 当日、予約なしで診てもらえますか?
- お電話でご連絡ください。当院は救急の受け入れは行っていないため、重いけがは救急の医療機関を受診してください。
- 電話でのお問い合わせ・ご相談はこちら
-
- 06-6352-8008
- 《受付時間》9:30 - 17:00
〈診療時間〉
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当院は保険・自費診療とも完全予約制となります。
当日診療ご希望の際はお電話を頂ければと存じます。※お問合せメールを利用した固有のサービスに関する営業メールはお断りします。
