やけど(熱傷)の治療

熱いお湯や油、アイロン、暖房器具などでやけどをしたときは、まず流水で冷やしてください。そのうえで、水ぶくれができた、範囲が広い、痛みが強い、という場合は、受診をおすすめします。

当院は形成外科のクリニックです。やけどの深さと範囲を診て、塗り薬や傷を覆う貼り物(創傷被覆材)で治療します。治ったあとの傷あとや色の変化(色素沈着)のご相談もお受けします。やけどの治療は保険診療です。

形成外科のクリニックで、医師が診察し、治療を行います

まず冷やす受診・救急の目安やけどの深さ子どもと高齢者低温やけど当院での治療治ったあと費用よくある質問

はじめに知っておきたいこと

やけどをしたら?
すぐに流水で冷やしてください。服の上からかかったときは、脱がさずに服の上から冷やします。冷やし方を見る
受診したほうがいい?
水ぶくれができた、範囲が広い、顔・手・陰部、子どもや高齢の方、などは受診をおすすめします。目安を見る
何か塗っていい?
受診するまでは、軟膏や油、アロエなどを自分の判断で塗らないでください。
傷あとは残る?
ごく浅いやけど以外は、傷あとや色の変化が残ることがあります。深さによって変わります。治ったあと
保険は使える?
やけどの治療は、保険診療です。費用を見る

まず冷やす(応急手当)

やけどをしたら、できるだけ早く、水道水などの流水で冷やしてください。冷やすことで、痛みがやわらぎ、やけどが深くなるのを防ぐことにつながります。

  • 水道水で冷やします。学会の一般向けの説明では、部位や範囲にもよりますが、5分から30分ほどが目安とされています
  • 熱湯や油が服の上からかかったときは、服を脱がさずに、服の上から冷やします
  • やけどの所が腫れてくるので、指輪や腕時計などは早めに外します
  • 水ぶくれは、つぶさないようにします
  • 受診するまで、軟膏・油・アロエなどを自分の判断で塗らないでください
やけどの応急手当のイラスト4コマ。流れる水で冷やす、服の上からかかったら脱がずに冷やす、指輪は腫れる前に外す、水ぶくれはつぶさず清潔なガーゼで覆う

子どもや、広い範囲のやけどでは、長く冷やしすぎると体が冷えすぎることがあります。体が冷えて震えるときは、やけどの所だけを冷やし、ほかは毛布などで温めてください。

勢いの強い水を、やけどの所に直接強く当てないようにしてください。水を張った容器や、弱めの流水で冷やします。

受診の目安・救急車を呼ぶ目安

早めに受診してほしいとき

  • 水ぶくれができた
  • やけどの範囲が、手のひらより広い
  • 顔・手・足・陰部のやけど
  • 子ども・高齢の方・糖尿病などの持病がある方のやけど
  • 皮膚が白っぽい・黒っぽい、痛みをあまり感じない(深いやけどのおそれ)
  • 低温やけど(湯たんぽ・カイロ・電気あんかなど)
  • 薬品(化学薬品)や電気によるやけど

救急車を呼ぶ、または至急病院を受診してほしいとき

  • やけどの範囲が、片腕・片足以上に広い
  • 顔のやけどで、息苦しい・声がかすれる(煙や熱い空気を吸ったおそれ)
  • 意識がぼんやりしている・ぐったりしている

範囲が広いやけどや深いやけどは、入院での治療が必要になることがあります。迷うときは、ためらわずに救急に相談してください。

当院への受診をご希望の方は、お電話でご連絡ください。当院は救急の受け入れは行っていません。範囲が広いやけど、深いやけど、顔・手足・陰部のやけど、薬品や電気によるやけど、小さなお子さまやご高齢の方のやけどは、入院できる病院での治療が合うことがあります。

やけどの深さ

やけどは、皮膚のどの深さまで傷んでいるかで、Ⅰ度・浅いⅡ度・深いⅡ度・Ⅲ度に分けられます。深さによって、見た目・痛み・治るまでの期間・傷あとの残りやすさが変わります。

下の図は、皮膚の断面で、やけどの深さを表した模式図です。

皮膚の断面の模式図。Ⅰ度は赤くなりヒリヒリする、浅いⅡ度は水ぶくれで強く痛む、深いⅡ度はやや白っぽく痛みは軽い、Ⅲ度は蝋のように白くなり痛みを感じない

図のように、深いやけどほど、かえって痛みを感じにくくなることがあります。痛みが少ないからといって、軽いやけどとは限りません。

深さ傷んでいる所見た目・痛み経過
Ⅰ度皮膚の表面(表皮)赤くなり、ヒリヒリ痛む傷あとを残さずに治る
浅いⅡ度表皮と、その下の真皮の浅い所水ぶくれができ、強く痛む学会の分類では、通常1〜2週間で治り、盛り上がった傷あとは残りにくいとされています
深いⅡ度真皮の深い所まで水ぶくれ・やや白っぽい・痛みは軽い治るまでに時間がかかり、盛り上がった傷あとが残ることが多いとされています
Ⅲ度皮膚の全部(皮下組織まで)白・黒・茶色・痛みを感じない自然に治るのに長い時間がかかり、皮膚を移す手術(植皮)が必要になることが多いとされています

やけどの深さは、やけどをした直後には見きわめにくく、数日たってから、はっきりしてくることがあります。最初は浅く見えても、あとから深くなることもあるため、経過を見ながら治療します。

子どもと高齢者のやけど

子どものやけどは、つかまり立ちや歩き始めの1歳前後に多く起きているとされています。テーブルの上の熱い飲み物や、炊飯器・電気ケトルの蒸気、ストーブなどに注意が必要です。

子どもは大人より皮膚が薄く、やけどが皮膚の深い所まで及びやすいとされています。また、小さな子どもは、広い範囲を長く冷やすと体が冷えすぎることがあります。

高齢の方や、糖尿病などの持病がある方は、やけどの傷が時間とともに深くなったり、治りにくかったりすることがあります。範囲が小さくても、早めに受診してください。

低温やけど

湯たんぽ・使い捨てカイロ・電気あんか・電気毛布などで、体温より少し高いくらいの温度のものに長い時間ふれていると、やけどになることがあります。これを低温やけどといいます。

製品の安全を調べている国の機関(NITE)の注意喚起では、44℃では3〜4時間以上、46℃では30分〜1時間、50℃では2〜3分で、低温やけどになるといわれている、とされています。

低温やけどは、皮膚の見た目の変化が少なく、痛みも弱いことが多いのですが、実際には皮膚の深い所まで傷んでいることがあり、皮膚を移す手術が必要になることもあります。見た目が軽そうでも、受診をおすすめします。

下の図は、ふだんの皮膚と低温やけどの皮膚を並べた模式図です。

皮膚の断面の模式図2つ。左はふだんの皮膚、右は低温やけどで表面は軽く見えても深い所が傷んでいる皮膚

低温やけどを防ぐために

  • 湯たんぽや電気あんかは、寝る前に布団を温めるのに使い、寝るときは体から離すか、電源を切る
  • 厚手のタオルやカバーで包んでも、低温やけどは起こります
  • 使い捨てカイロは、肌に直接当てず、同じ所に長く当て続けない
  • 糖尿病などで足の感覚が鈍い方、眠り薬を飲んでいる方、お酒を飲んだあとは、特に注意する

当院での治療

やけどの深さと範囲を見て、治療を決めます。浅いやけどでは、傷を清潔にして、塗り薬や、傷を覆って湿り気を保つ貼り物(創傷被覆材)で、皮膚が再生するのを助けます。

塗り薬・創傷被覆材

皮膚科の熱傷診療ガイドラインでは、塗り薬は、原則としてワセリンなどの油が基になった軟膏を選ぶ、とされています。水ぶくれの扱いや、どの薬・被覆材を使うかは、やけどの状態を見て決めます。

汚れた所でのやけどでは、破傷風の予防の注射を考えることがあります。

通院

やけどの治療中は、傷の状態や感染がないかを確かめるため、はじめのうちは通院の間隔が短くなります。傷が落ち着いてきたら、間隔をあけていきます。

深いやけど・治りにくいやけど

深いやけどや、治るまでに時間がかかるやけどは、傷んだ組織を取り除く処置や、皮膚を移す手術(植皮)を考えることがあります。ガイドラインでも、治るまでに2週間を超えるやけどは、手術による治療を考えることがすすめられています。

範囲が広いやけどや、入院が必要なやけどは、設備のある病院をご紹介します。

治ったあと:傷あと・色素沈着・ひきつれ

やけどは、ごく浅いやけど以外では、傷あとが残ることがあります。浅いやけどのあとには、皮膚が茶色っぽくなる色素沈着などの色の変化が、深いやけどのあとには、盛り上がった傷あと(肥厚性瘢痕・ケロイド)や、ひきつれ(瘢痕拘縮)が起こることがあります。

治ったあとの変化手当ての例
色素沈着(茶色っぽい跡)紫外線を避ける(日焼け止め・衣服・テープ)
盛り上がった傷あとテープやサポーターでの圧迫・貼り薬など
ひきつれ(瘢痕拘縮)動きが制限されるときは、手術を考えます

色素沈着は、紫外線に当たることで濃くなりやすいとされています。治ったあともしばらくは、紫外線を避けることが大切です。

傷あとが赤く盛り上がってきた、つっぱって動かしにくい、などの変化があるときは、早めにご相談ください。

家庭でのやけどを防ぐために

  • 熱い飲み物や料理は、テーブルの端に置かない(テーブルクロスを引っぱって落とすこともあります)
  • 電気ケトル・炊飯器・電気ポットは、子どもの手の届かない所に置き、蒸気の出口に注意する
  • ストーブやヒーターのまわりに柵を置く
  • お風呂は、湯の温度を確かめてから入る・子どもを入れる
  • アイロンやヘアアイロンは、使ったあと手の届かない所で冷ます

費用(保険診療)

やけどの治療は、保険診療です。処置の点数は、やけどの範囲(広さ)によって決められています(令和8年度の点数表)。植皮などの手術が必要なやけどは、設備のある病院をご紹介します。

内容点数3割負担の目安
熱傷処置(100平方センチメートル未満)135点約410円

表の金額は処置料だけの目安です。実際には、診察料・お薬・被覆材などが加わります。ごく浅いやけど(Ⅰ度)だけの場合は、熱傷処置としては算定されません。

料金表を見る

よくある質問

何分くらい冷やせばいいですか?
部位や範囲にもよりますが、5分から30分ほどが目安とされています。子どもや広い範囲のやけどは、体が冷えすぎないように注意してください。
氷で冷やしてもいいですか?
水道水などの流水や、水を張った容器で冷やすのが基本です。冷やし方に迷うときは、受診のときにご相談ください。
水ぶくれは破ってもいいですか?
自分では破らないでください。水ぶくれの扱いは、診察のときに決めます。
市販の薬やアロエを塗ってもいいですか?
受診するまでは、軟膏や油、アロエなどを自分の判断で塗らないでください。
痛くないのですが、受診したほうがいいですか?
深いやけどや低温やけどは、痛みを感じにくいことがあります。皮膚が白っぽい・黒っぽい、範囲が広い、などのときは受診してください。
傷あとは残りますか?
ごく浅いやけど以外は、傷あとや色の変化が残ることがあります。深さによって変わります。
茶色い跡が残りました。
浅いやけどのあとには、色素沈着が起こることがあります。紫外線を避けることが大切です。気になるときはご相談ください。
何日くらい通院しますか?
やけどの深さと範囲によって変わります。はじめのうちは、短い間隔で通院していただくことがあります。
保険は使えますか?
やけどの治療は、保険診療です。
子どものやけども診てもらえますか?
診ることができます。子どもは皮膚が薄く、やけどが深くなりやすいため、早めに受診してください。
湯たんぽでやけどをしました。
低温やけどは、見た目より深いことがあります。痛みが弱くても、受診をおすすめします。
当日、診てもらえますか?
お電話でご連絡ください。

料金表・アクセス

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〈診療時間〉
月・火・水・金 9:30~17:30 / 土曜 10:00~13:30
※受付は診察終了の30分前までです。
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