まず冷やす(応急手当)
やけどをしたら、できるだけ早く、水道水などの流水で冷やしてください。冷やすことで、痛みがやわらぎ、やけどが深くなるのを防ぐことにつながります。
- 水道水で冷やします。学会の一般向けの説明では、部位や範囲にもよりますが、5分から30分ほどが目安とされています
- 熱湯や油が服の上からかかったときは、服を脱がさずに、服の上から冷やします
- やけどの所が腫れてくるので、指輪や腕時計などは早めに外します
- 水ぶくれは、つぶさないようにします
- 受診するまで、軟膏・油・アロエなどを自分の判断で塗らないでください

子どもや、広い範囲のやけどでは、長く冷やしすぎると体が冷えすぎることがあります。体が冷えて震えるときは、やけどの所だけを冷やし、ほかは毛布などで温めてください。
勢いの強い水を、やけどの所に直接強く当てないようにしてください。水を張った容器や、弱めの流水で冷やします。
受診の目安・救急車を呼ぶ目安
早めに受診してほしいとき
- 水ぶくれができた
- やけどの範囲が、手のひらより広い
- 顔・手・足・陰部のやけど
- 子ども・高齢の方・糖尿病などの持病がある方のやけど
- 皮膚が白っぽい・黒っぽい、痛みをあまり感じない(深いやけどのおそれ)
- 低温やけど(湯たんぽ・カイロ・電気あんかなど)
- 薬品(化学薬品)や電気によるやけど
救急車を呼ぶ、または至急病院を受診してほしいとき
- やけどの範囲が、片腕・片足以上に広い
- 顔のやけどで、息苦しい・声がかすれる(煙や熱い空気を吸ったおそれ)
- 意識がぼんやりしている・ぐったりしている
範囲が広いやけどや深いやけどは、入院での治療が必要になることがあります。迷うときは、ためらわずに救急に相談してください。
当院への受診をご希望の方は、お電話でご連絡ください。当院は救急の受け入れは行っていません。範囲が広いやけど、深いやけど、顔・手足・陰部のやけど、薬品や電気によるやけど、小さなお子さまやご高齢の方のやけどは、入院できる病院での治療が合うことがあります。
やけどの深さ
やけどは、皮膚のどの深さまで傷んでいるかで、Ⅰ度・浅いⅡ度・深いⅡ度・Ⅲ度に分けられます。深さによって、見た目・痛み・治るまでの期間・傷あとの残りやすさが変わります。
下の図は、皮膚の断面で、やけどの深さを表した模式図です。

図のように、深いやけどほど、かえって痛みを感じにくくなることがあります。痛みが少ないからといって、軽いやけどとは限りません。
| 深さ | 傷んでいる所 | 見た目・痛み | 経過 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ度 | 皮膚の表面(表皮) | 赤くなり、ヒリヒリ痛む | 傷あとを残さずに治る |
| 浅いⅡ度 | 表皮と、その下の真皮の浅い所 | 水ぶくれができ、強く痛む | 学会の分類では、通常1〜2週間で治り、盛り上がった傷あとは残りにくいとされています |
| 深いⅡ度 | 真皮の深い所まで | 水ぶくれ・やや白っぽい・痛みは軽い | 治るまでに時間がかかり、盛り上がった傷あとが残ることが多いとされています |
| Ⅲ度 | 皮膚の全部(皮下組織まで) | 白・黒・茶色・痛みを感じない | 自然に治るのに長い時間がかかり、皮膚を移す手術(植皮)が必要になることが多いとされています |
やけどの深さは、やけどをした直後には見きわめにくく、数日たってから、はっきりしてくることがあります。最初は浅く見えても、あとから深くなることもあるため、経過を見ながら治療します。
子どもと高齢者のやけど
子どものやけどは、つかまり立ちや歩き始めの1歳前後に多く起きているとされています。テーブルの上の熱い飲み物や、炊飯器・電気ケトルの蒸気、ストーブなどに注意が必要です。
子どもは大人より皮膚が薄く、やけどが皮膚の深い所まで及びやすいとされています。また、小さな子どもは、広い範囲を長く冷やすと体が冷えすぎることがあります。
高齢の方や、糖尿病などの持病がある方は、やけどの傷が時間とともに深くなったり、治りにくかったりすることがあります。範囲が小さくても、早めに受診してください。
低温やけど
湯たんぽ・使い捨てカイロ・電気あんか・電気毛布などで、体温より少し高いくらいの温度のものに長い時間ふれていると、やけどになることがあります。これを低温やけどといいます。
製品の安全を調べている国の機関(NITE)の注意喚起では、44℃では3〜4時間以上、46℃では30分〜1時間、50℃では2〜3分で、低温やけどになるといわれている、とされています。
低温やけどは、皮膚の見た目の変化が少なく、痛みも弱いことが多いのですが、実際には皮膚の深い所まで傷んでいることがあり、皮膚を移す手術が必要になることもあります。見た目が軽そうでも、受診をおすすめします。
下の図は、ふだんの皮膚と低温やけどの皮膚を並べた模式図です。

低温やけどを防ぐために
- 湯たんぽや電気あんかは、寝る前に布団を温めるのに使い、寝るときは体から離すか、電源を切る
- 厚手のタオルやカバーで包んでも、低温やけどは起こります
- 使い捨てカイロは、肌に直接当てず、同じ所に長く当て続けない
- 糖尿病などで足の感覚が鈍い方、眠り薬を飲んでいる方、お酒を飲んだあとは、特に注意する
当院での治療
やけどの深さと範囲を見て、治療を決めます。浅いやけどでは、傷を清潔にして、塗り薬や、傷を覆って湿り気を保つ貼り物(創傷被覆材)で、皮膚が再生するのを助けます。
塗り薬・創傷被覆材
皮膚科の熱傷診療ガイドラインでは、塗り薬は、原則としてワセリンなどの油が基になった軟膏を選ぶ、とされています。水ぶくれの扱いや、どの薬・被覆材を使うかは、やけどの状態を見て決めます。
汚れた所でのやけどでは、破傷風の予防の注射を考えることがあります。
通院
やけどの治療中は、傷の状態や感染がないかを確かめるため、はじめのうちは通院の間隔が短くなります。傷が落ち着いてきたら、間隔をあけていきます。
深いやけど・治りにくいやけど
深いやけどや、治るまでに時間がかかるやけどは、傷んだ組織を取り除く処置や、皮膚を移す手術(植皮)を考えることがあります。ガイドラインでも、治るまでに2週間を超えるやけどは、手術による治療を考えることがすすめられています。
範囲が広いやけどや、入院が必要なやけどは、設備のある病院をご紹介します。
治ったあと:傷あと・色素沈着・ひきつれ
やけどは、ごく浅いやけど以外では、傷あとが残ることがあります。浅いやけどのあとには、皮膚が茶色っぽくなる色素沈着などの色の変化が、深いやけどのあとには、盛り上がった傷あと(肥厚性瘢痕・ケロイド)や、ひきつれ(瘢痕拘縮)が起こることがあります。
| 治ったあとの変化 | 手当ての例 |
|---|---|
| 色素沈着(茶色っぽい跡) | 紫外線を避ける(日焼け止め・衣服・テープ) |
| 盛り上がった傷あと | テープやサポーターでの圧迫・貼り薬など |
| ひきつれ(瘢痕拘縮) | 動きが制限されるときは、手術を考えます |
色素沈着は、紫外線に当たることで濃くなりやすいとされています。治ったあともしばらくは、紫外線を避けることが大切です。
傷あとが赤く盛り上がってきた、つっぱって動かしにくい、などの変化があるときは、早めにご相談ください。
家庭でのやけどを防ぐために
- 熱い飲み物や料理は、テーブルの端に置かない(テーブルクロスを引っぱって落とすこともあります)
- 電気ケトル・炊飯器・電気ポットは、子どもの手の届かない所に置き、蒸気の出口に注意する
- ストーブやヒーターのまわりに柵を置く
- お風呂は、湯の温度を確かめてから入る・子どもを入れる
- アイロンやヘアアイロンは、使ったあと手の届かない所で冷ます
費用(保険診療)
やけどの治療は、保険診療です。処置の点数は、やけどの範囲(広さ)によって決められています(令和8年度の点数表)。植皮などの手術が必要なやけどは、設備のある病院をご紹介します。
| 内容 | 点数 | 3割負担の目安 |
|---|---|---|
| 熱傷処置(100平方センチメートル未満) | 135点 | 約410円 |
表の金額は処置料だけの目安です。実際には、診察料・お薬・被覆材などが加わります。ごく浅いやけど(Ⅰ度)だけの場合は、熱傷処置としては算定されません。
よくある質問
- 何分くらい冷やせばいいですか?
- 部位や範囲にもよりますが、5分から30分ほどが目安とされています。子どもや広い範囲のやけどは、体が冷えすぎないように注意してください。
- 氷で冷やしてもいいですか?
- 水道水などの流水や、水を張った容器で冷やすのが基本です。冷やし方に迷うときは、受診のときにご相談ください。
- 水ぶくれは破ってもいいですか?
- 自分では破らないでください。水ぶくれの扱いは、診察のときに決めます。
- 市販の薬やアロエを塗ってもいいですか?
- 受診するまでは、軟膏や油、アロエなどを自分の判断で塗らないでください。
- 痛くないのですが、受診したほうがいいですか?
- 深いやけどや低温やけどは、痛みを感じにくいことがあります。皮膚が白っぽい・黒っぽい、範囲が広い、などのときは受診してください。
- 傷あとは残りますか?
- ごく浅いやけど以外は、傷あとや色の変化が残ることがあります。深さによって変わります。
- 茶色い跡が残りました。
- 浅いやけどのあとには、色素沈着が起こることがあります。紫外線を避けることが大切です。気になるときはご相談ください。
- 何日くらい通院しますか?
- やけどの深さと範囲によって変わります。はじめのうちは、短い間隔で通院していただくことがあります。
- 保険は使えますか?
- やけどの治療は、保険診療です。
- 子どものやけども診てもらえますか?
- 診ることができます。子どもは皮膚が薄く、やけどが深くなりやすいため、早めに受診してください。
- 湯たんぽでやけどをしました。
- 低温やけどは、見た目より深いことがあります。痛みが弱くても、受診をおすすめします。
- 当日、診てもらえますか?
- お電話でご連絡ください。
- 電話でのお問い合わせ・ご相談はこちら
-
- 06-6352-8008
- 《受付時間》9:30 - 17:00
〈診療時間〉
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