はじめに知っておきたいこと
あざの色と、色素のある深さ
あざの色は、色素が皮膚のどの深さにあるかで変わって見えます。浅い所(表皮)に色素があると茶色に、深い所(真皮)に色素の細胞があると、青っぽく見えます。
下の図は、茶あざと青あざで、色素がある深さの違いを表した模式図です。

茶あざは表皮の中に、青あざは真皮の中に色素があります。深い所の色素は、皮膚を通して見ると青っぽく見えます。色素のある深さによって、レーザーの効き方や、治療の考え方が変わります。
あざの種類
| 種類 | 特徴 | 当院のレーザー |
|---|---|---|
| 太田母斑(青あざ) | 顔の片側の、目のまわり・頬・額などに出る青〜茶色のあざ。生後まもなく、または思春期ごろに出てくることが多い。白目に色が出ることもある | 保険 |
| 異所性蒙古斑(青あざ) | おしり以外の場所(背中・腕・足など)にできた蒙古斑 | 保険 |
| 扁平母斑(茶あざ) | 平らで、境目がはっきりした茶色のあざ。生まれつき、または思春期ごろに出てくる | 保険(回数に決まりがある) |
| 蒙古斑(おしり) | おしりや腰にできる青あざ。多くは成長とともに薄くなる | 経過を見ることが多い |
見た目が似ていても、あざの種類が違うと、治療の考え方が変わります。診察では、あざの色・場所・広がり方・出てきた時期を確かめます。
茶色のあざ(扁平母斑のような色素斑)が、大きさ1.5cm以上で6個以上ある場合は、別の病気(神経線維腫症1型)の可能性もあるため、診察でお伝えください。
ほかのあざも、保険が使えるかは診察でご説明します。
あざは自然に消える?
| 種類 | 自然の経過 |
|---|---|
| 蒙古斑(おしり) | 多くは成長とともに薄くなります。大人になっても残るのは、およそ3%とされています |
| 異所性蒙古斑 | 年をとっても、完全には消えないとされています |
| 太田母斑 | 自然には消えません。思春期ごろに濃くなることがあります |
| 扁平母斑 | 自然には消えにくいあざです |
自然に薄くなる可能性があるあざは、経過を見ることもあります。自然に消えにくいあざや、目立つ場所のあざは、治療を考えます。どちらがよいかは、診察でご家族と相談して決めます。
自然の経過は、日本皮膚科学会の皮膚科Q&A「アザとホクロ」をもとにしています。
治療を始める時期
あざの治療をいつ始めるかについては、いくつかの考え方があります。
- 子どものほうが、皮膚がうすく、あざの範囲も小さいため、治療の回数が少なくて済むことが多いとする考え方(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A)
- 異所性蒙古斑では、治療を始める年齢が早いほど治療の成績がよいとする報告があり、早くから治療することも多い(日本レーザー医学会誌の総説)
- 太田母斑では、思春期ごろにまた色が出てくることがあるため、ある程度の年齢になってから始める方がよい場合もある、とする考え方(日本皮膚科学会 皮膚科Q&A)
当院では、皮膚がやわらかく範囲が小さい子どものうちに治療を始めることをおすすめしています。ただし、あざの種類・場所・広さ、お子さまの年齢と体の状態によって、合う時期は違います。診察で、ご家族と相談して決めます。
Qスイッチルビーレーザーのしくみ
当院では、Qスイッチルビーレーザー(IB103)であざの治療を行っています。厚生労働省の承認を受けた医療機器です。
下の図は、レーザーの光が皮膚の表面を通りぬけて、真皮の色素に吸収されるようすを表した模式図です。

波長694ナノメートルの光を、ごく短い時間(10億分の20秒)だけ当てることで、周りの皮膚への熱の広がりを抑えながら、色素を選んで壊します。壊れた色素は、時間をかけて体の中で吸収されていきます。
1回の照射でも色素は薄くなりますが、残ることがほとんどです。ふつうは、間隔をあけて照射を重ね、少しずつ薄くしていきます。照射の間隔と回数は、あざの種類・濃さ・年齢・肌の状態によって変わります。ある程度薄くなっても、それ以上は色が変わりにくくなることもあります。
茶あざ(扁平母斑)は、まず小さい範囲で試します
扁平母斑は、レーザー治療のあとに再発することがとても多いとされています。そのため、まずは小さい範囲に試しに照射(テスト照射)することをおすすめしています。
テスト照射のあと、しばらく経過を見て、効果があるようなら、範囲を広げた照射を考えます。テスト照射の結果によっては、レーザー治療をおすすめしないことがあります。
しくみの説明は、当院の機器の情報と、日本皮膚科学会の皮膚科Q&A をもとにしています。
保険診療の決まり
太田母斑・異所性蒙古斑・扁平母斑などのレーザー治療は、保険診療の対象です。保険では、次のような決まりがあります。
- 照射する広さ(4㎠未満・4〜16㎠・16〜64㎠・64㎠以上)で費用が決まります。
- 体を、頭と首・左右の腕・左右の脚・胸とおなか・背中(おしりを含む)に分け、場所ごとに数えます。
- 保険診療では、およそ3か月の間に行う照射を、ひとまとまりの治療として扱います。
- 扁平母斑などは、同じ場所への保険の照射が、初めての治療を含めて2回までと決まっています。
- 太田母斑・異所性蒙古斑で、ひとまとまりの治療が終わったあとに、同じ場所をもう一度治療する場合は、初めての治療を含めて5回までと決まっています。
- 3歳未満の赤ちゃんは、乳幼児の加算がつきます。
- 見た目を整えることだけを目的とした照射は、保険の対象になりません。
厚生労働省の令和8年度の診療報酬点数表(J054-2 皮膚レーザー照射療法 Qスイッチ付レーザー照射療法)と、その留意事項の通知をもとにしています。
レーザー照射の費用の目安(3割負担の場合)
| 照射する広さ | レーザー照射の費用(3割負担) |
|---|---|
| 4㎠未満 | 約6,000円 |
| 4㎠以上16㎠未満 | 約7,110円 |
| 16㎠以上64㎠未満 | 約8,700円 |
| 64㎠以上 | 約11,850円 |
このほかに、診察料などがかかります。お子さまは、お住まいの市区町村の医療費の助成によって、窓口の負担が変わります(大阪市にお住まいの0〜18歳のお子さまは、窓口の負担が1医療機関ごとに1日最大500円・月2日まで)。
治療の流れ
ご予約・ご来院ご予約のうえ、ご来院ください。
診察あざの種類・場所・広さを診て、保険の対象かどうか、治療を始める時期と方法をご説明します。
照射痛みを和らげるために、冷却と麻酔クリームを使います。目を守ってから照射します。照射の時間は、1回5〜15分ほどです(範囲によって変わります)。
お帰り・経過の診察照射のあとは、そのままお帰りいただけます。照射から2週間ほどで、経過を診ます。
照射のあとの経過とお手入れ
| 時期 | 経過 |
|---|---|
| 照射の直後 | 照射した所が白っぽくなったり、赤み・腫れが出たりします |
| かさぶたがついている間 | かさぶたができます。軟膏を塗り、テープで保護します。無理にはがさず、自然にはがれるまで触らないでください |
| かさぶたがはがれたあと | しばらく、照射した所に赤みがあります。赤みは少しずつ薄くなっていきます |
| かさぶたがとれたあと | 一時的に、照射した所が茶色っぽくなる(色素沈着)・白っぽくなる(色素脱失)ことがあります。これは一時的なもので、時間とともに消えていきます |
| 次の照射まで | 炎症のあとの色素沈着がおさまるのを待ってから、次の照射をします |
お手入れのポイント
- 1日2回、綿棒で、テープの上からワセリンを塗ってください。
- テープがはがれたら交換してください。
- お手入れは2週間続けてください。
- 洗顔は、テープの上からしてください。
- 照射した所をこすったり、マッサージをしたり、かさぶたを無理にとったりしないでください。
- 当日から、お風呂・シャワーに入れます。長いお風呂・サウナ・激しい運動はひかえてください。
- 保湿をしてください。
- レーザー治療の間は、紫外線対策をしっかりしてください。かさぶたが取れたあとも、色素沈着を防ぐため、しばらく紫外線対策を続けてください。
- 痛み・赤み・腫れが強くなる、膿が出るなど、いつもと違うときはご連絡ください。
リスク・副作用
- 水ぶくれ(水疱)・感染・出血・色素沈着(茶色くなる)・色素脱失(白く抜ける)・ケロイドになる、などが起こることがあります。これらの症状があるときは、ご連絡ください。
- かさぶたがはがれたあと、茶色くなる(色素沈着)・白くなる(色素脱失)ことがあります。これは一時的なものです。異所性蒙古斑では、色素脱失が太田母斑より起こりやすいという報告があります。
- 照射のあとに、赤み・腫れ・かさぶたが出ます。
- 治療は、何回も・長い期間にわたることがあります。回数を重ねても、色が薄く残ることがあります。
- ある程度色が薄くなっても、それ以上は変わりにくくなることがあります。
- 扁平母斑は、とても再発の多いあざです。照射によって、かえって色が濃くなることもあります。何回か照射が必要になることがあり、照射のあとに再発することがあります。
- 扁平母斑は、テスト照射の結果によっては、レーザー治療をおすすめしないことがあります。
- 太田母斑は、思春期ごろにまた色が出てくることがあります。
- 次の方は、治療を受けられないことがあります。事前にお知らせください。
- 妊娠中・授乳中の方
- 心臓の病気がある方、ペースメーカーや埋め込み式除細動器を使っている方
- 糖尿病の合併症がある方
- 膠原病など、自己免疫の病気がある方
- 出血しやすい病気がある方、ワーファリン・アスピリンなど血液をさらさらにする薬(抗凝固薬)を飲んでいる方
- ステロイドや免疫抑制剤で治療中の方
- いま治療中の病気がある方
- 薬のアレルギーがある方
- 光過敏症の方
- 治療する所に、腫れ・炎症・感染症がある方
- 治療する所に、金の糸や金属のプレート、シリコンが入っている方
- 最近、ヒアルロン酸注入やスレッドリフトを受けた方
- ケロイドのある所の治療を希望する方、ケロイド体質の方
- ヘルペスウイルスに感染している方
- 日焼けをしている方
- 治療する所に、入れ墨(タトゥー)がある方
- 照射する所が日焼けしている方は、日焼けが落ち着いてから照射します。
- 上記のほか、診察のうえ医師が不適当と判断した場合は、施術をお断りすることがあります。
よくある質問
- 何歳から治療できますか?
- 青あざは、皮膚がやわらかく範囲が小さい子どものうちに治療を始めることをおすすめしています。始める時期は、あざの種類と体の状態を見て、ご家族と相談して決めます。
- 保険は使えますか?
- 太田母斑・異所性蒙古斑・扁平母斑のレーザー治療は、保険診療の対象です。対象かどうかは、診察で判断します。
- 何回くらい照射が必要ですか?
- あざの種類・深さ・広さ・年齢によって変わるため、決まった回数はありません。照射のたびにあざの状態を見て、続けるかどうかを診察でご相談します。
- 痛みはありますか?
- 輪ゴムではじかれたような痛みがあります(感じ方には個人差があります)。冷却と麻酔クリームで和らげます。
- 赤ちゃんでも痛くないですか?
- 冷却と麻酔クリームを使い、短い時間で照射します。照射の間は、ご家族やスタッフが体を支えます。
- おしりの蒙古斑も治療が必要ですか?
- おしりの蒙古斑の多くは、成長とともに薄くなるため、経過を見ることが多いです。気になるときは、診察でご相談ください。
- 茶あざはレーザーで消えますか?
- 扁平母斑は、レーザーがよく効く方と効きにくい方がいて、再発がとても多いあざです。照射で色が濃くなることもあるため、まず小さい範囲でテスト照射をおすすめしています。保険の照射は同じ場所で2回までと決まっています。
- 照射のあと、お風呂に入れますか?
- 当日から、お風呂・シャワーに入れます。長いお風呂・サウナ・激しい運動はひかえ、照射した所はこすらないでください。洗顔はテープの上からしてください。
- 子どもの医療証は使えますか?
- 保険診療のため、お住まいの市区町村の医療費の助成の対象になります。くわしくは、お住まいの市区町村の決まりをご確認ください。
- 大人になってからでも治療できますか?
- 大人の方も治療できます。太田母斑などは、大人になってから治療を始める方もいます。
- 照射のあと、色が濃くなりました。
- 照射のあと一時的に、色素沈着で茶色っぽくなることがあります。これは一時的なものです。かさぶたが取れたあとも、紫外線対策を続けてください。気になるときはご相談ください。
- 電話でのお問い合わせ・ご相談はこちら
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当院は保険・自費診療とも完全予約制となります。
当日診療ご希望の際はお電話を頂ければと存じます。※お問合せメールを利用した固有のサービスに関する営業メールはお断りします。
