しみ・肝斑の飲み薬(トラネキサム酸など)
しみや肝斑が気になる方に、飲み薬による治療を行っています。当院では、トラネキサム酸(トランサミン)、ビタミンCなどの配合剤(シナール)、ビタミンE(ユベラ)などを扱っています。
当院は形成外科のクリニックです。しみの種類を診察で見きわめて、飲み薬だけでよいか、光やレーザーの治療を組み合わせたほうがよいかをご提案します。自由診療です。
形成外科のクリニックで、医師が診察し、処方します
できること・できないことしみの種類当院の飲み薬肝斑とトラネキサム酸副作用・飲めない方市販薬との違い保険か自費か費用よくある質問
しみができるしくみ
皮膚の表面(表皮)のいちばん下には、メラニンという色素をつくる細胞(メラノサイト)があります。紫外線を浴びたり、肌がこすれたり、炎症が起きたりすると、メラノサイトがメラニンをつくり、肌を守ろうとします。
ふつうは、つくられたメラニンは、肌の生まれ変わりとともに外へ出ていきます。ところが、メラニンが多くつくられ続けたり、外へ出ていきにくくなったりすると、肌の一部に色素がたまって、しみとして見えるようになります。
しみの飲み薬は、このメラニンがつくられる流れにはたらきかけることを目的にしたものです。ただし、すでにたまった色素をすぐに消すものではありません。
下の図は、メラニンがつくられてから、たまってしみになるまでの流れを表した模式図です。

飲み薬でできること・できないこと
しみの飲み薬は、体の内側から、しみの元になる色素(メラニン)ができる流れにはたらきかけることを目的にしたものです。顔全体に広がった肝斑や、レーザーのあとの色の変化が気になるときなどに用いられます。
一方で、くっきりした濃いしみや、盛り上がったしみ、皮膚の深い所にある色素は、飲み薬だけでは変わりにくいことがあります。こうしたしみには、光(IPL)やレーザーの治療が向くことがあります。
美容医療の診療指針でも、肝斑について、塗り薬や飲み薬だけでは改善しない場合や、副作用が問題となる場合には、レーザーや光治療が用いられている、と書かれています。飲み薬は、ほかの治療と組み合わせて用いることも多い方法です。
しみの種類で、合う治療が変わります
ひとくちに「しみ」といっても、いくつかの種類があり、色素のある深さや広がり方が違います。
下の図は、皮膚の断面で、しみの種類と色素のある深さを表した模式図です。

| 種類 | 見え方 | 治療の考え方 |
|---|---|---|
| 老人性色素斑(いわゆるしみ) | 紫外線を長く浴びた所にできる、境目のはっきりした茶色のしみ | 光・レーザーの治療が中心 |
| そばかす | 鼻のまわりや頬に散らばる、小さな茶色の点 | 光の治療など |
| 肝斑 | 頬骨のあたりに左右対称に、もやっと広がる薄い茶色 | 紫外線を避ける・飲み薬・塗り薬。強い刺激で悪化することがある |
| 炎症後の色素沈着 | にきび・けが・やけどのあとに残る茶色 | 紫外線を避ける・飲み薬・塗り薬など |
いくつかの種類のしみが重なっていることも多くあります。とくに肝斑は、強い刺激で濃くなることがあるため、肝斑があるかどうかを見きわめてから、治療の順番を考えます。しみ・肝斑の治療のページもご覧ください。
炎症後の色素沈着とは
にきび・虫刺され・けが・やけど・湿疹などのあとに、茶色い跡が残ることがあります。これを炎症後の色素沈着といいます。肌に炎症が起きたことで、メラニンが多くつくられて残ったものです。
炎症後の色素沈着は、時間とともに少しずつ薄くなっていくことが多いのですが、紫外線を浴びると濃くなったり、長引いたりすることがあります。紫外線を避けること、こすらないことが大切です。飲み薬や塗り薬を組み合わせることもあります。
飲み薬が向いている方・ほかの治療が向く方
飲み薬が向いていることが多い方
- 頬に左右対称に広がる、もやっとした薄いしみ(肝斑が疑われる)が気になる
- にきびやけがのあとの茶色い跡が気になる
- 光やレーザーの治療とあわせて、内側からのケアも考えたい
- まずは刺激の少ない方法から始めたい
ほかの治療が向くことが多い方
- 境目のはっきりした濃いしみを、はっきり薄くしたい
- 盛り上がったしみ・ほくろのようなものが気になる
- 皮膚の深い所の色素(あざなど)が気になる
盛り上がったものや、急に大きくなったもの、形がいびつなものは、しみではない病気のこともあります。気になるものは、まず診察で確かめます。
当院で扱う飲み薬
| 薬 | 成分 | 位置づけ |
|---|---|---|
| トランサミン | トラネキサム酸 | 肝斑の治療で用いられる飲み薬 |
| シナール | ビタミンC(アスコルビン酸)とパントテン酸の配合剤 | ビタミンCの補給に用いられる飲み薬 |
| ユベラ | ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル) | ビタミンEの補給などに用いられる飲み薬 |
| シミ内服(1か月分) | トランサミン・シナール・ユベラ等から、症状にあわせて処方します | しみの飲み薬 |
どの薬を、どのくらいの量で、どのくらい飲むかは、しみの種類と、お体の状態をお聞きして決めます。処方には、医師の診察が必要です。ほかの薬を飲んでいる方は、お薬手帳をお持ちください。
肝斑とトラネキサム酸
肝斑とは
肝斑は、頬骨のあたりなどに、左右対称にもやっと広がる薄い茶色のしみです。紫外線や、ホルモンのバランス、肌をこする刺激などが関わると考えられています。
ほかのしみとの見分け方
肝斑は、頬骨のあたりや額、口のまわりに、左右ほぼ同じ形の薄い茶色として広がることが多いしみで、まぶたにはできないとされています。1つずつ茶色の斑が出る老人性色素斑や、小さな点が散らばるそばかすとは、見え方が違います。
ただし、肝斑と老人性色素斑が重なっていることも多く、見た目だけでは分かりにくいことがあります。肝斑に強い光やレーザーを当てると、かえって濃くなることがあるため、治療を始める前に見きわめることが大切です。
まず大切なのは、紫外線を避けること
美容医療の診療指針では、肝斑の対処法として、紫外線を避けることが必須で、この指導が最も重要である、とされています。飲み薬を使うときも、日焼け止めや帽子などで紫外線を避けることが、治療の土台になります。肌を強くこする洗顔やマッサージも、控えてください。
トラネキサム酸の飲み薬
同じ指針では、治療効果と安全性を調べた研究をまとめた報告(メタ解析)で、トラネキサム酸が肝斑の治療に有効であると報告されている、と書かれています。効き方には個人差があり、誰でも同じように薄くなるわけではありません。
トラネキサム酸は、もともと出血を止めるはたらきなどがある薬です。そのため、血栓ができやすい方などは、注意が必要です。
紫外線対策とお手入れのこつ
紫外線を避ける
- 季節や天気にかかわらず、毎日日焼け止めを使う
- 汗をかいたり、こすれたりしたら、日焼け止めを塗り直す
- 帽子・日傘・サングラスなどを組み合わせる
- 窓ぎわや車の運転中も、紫外線は届きます
肌をこすらない
肌を強くこする洗顔やマッサージ、タオルでのふき取りは、肝斑などのしみを濃くする原因になることがあります。洗顔は、泡でやさしく洗い、タオルは押さえるようにして水気をとってください。化粧品をつけるときも、こすらずに、手のひらでなじませるようにします。
副作用・飲めない方・飲む前に伝えてほしいこと
起こりうること
| 薬 | 起こりうること |
|---|---|
| トラネキサム酸 | 食欲がない・吐き気・胸やけ・かゆみ・発疹など |
| ビタミンCの配合剤 | 胃の不快感・吐き気・嘔吐・下痢など |
| ビタミンE | 便秘・胃の不快感・下痢・発疹など |
ビタミンCの配合剤は、尿の検査で、尿糖が正しく測れなくなることがあります。健康診断などで尿の検査を受けるときは、飲んでいることを伝えてください。
飲めない方・注意が必要な方
- トロンビンという止血の薬を使っている方(トラネキサム酸は飲めません)
- 血栓のある方・血栓ができたことがある方(脳梗塞・心筋梗塞・血栓性静脈炎など)
- 腎臓の病気がある方
- 妊娠中・授乳中の方
- ほかに飲んでいる薬やサプリメントがある方
持病・お飲みのお薬・妊娠の予定は、診察のときに必ずお知らせください。妊娠中・授乳中の方は、受けられません。
市販薬との違い
薬局でも、トラネキサム酸やビタミンCなどを含む、しみや肝斑向けの飲み薬が売られています。医療機関で処方する薬とは、成分の量や組み合わせ、飲み方が違うことがあります。
医療機関では、医師がしみの種類を診て、飲み薬が合うかどうか、ほかの治療と組み合わせたほうがよいかを考えたうえで処方します。持病やほかの薬との飲み合わせも確かめます。
市販薬と、処方された薬を一緒に飲むと、同じ成分を重ねて飲みすぎることがあります。市販薬を飲んでいる方は、診察のときにお知らせください。
また、しみだと思っていたものが、別の病気だったということもあります。市販薬を飲んでも変わらない、むしろ濃くなってきた、というときは、自己判断で続けず、一度診察を受けてください。しみの種類が分かると、飲み薬が合うのか、ほかの方法がよいのかが考えやすくなります。
保険か自費か
美容を目的としたしみや肝斑の治療は、自由診療です。健康保険は使えません。
にきびやけがなど、病気やけがの治療の中で薬を処方する場合は、保険診療になることがあります。どちらに当たるかは、診察でご説明します。
ほかの治療との組み合わせ
しみの治療は、飲み薬だけでなく、塗り薬、光(IPL)やレーザー、紫外線対策などを組み合わせることが多くあります。
たとえば、肝斑と老人性色素斑が重なっている方では、まず飲み薬と紫外線対策で肝斑を落ち着かせてから、光やレーザーの治療を考える、という順番をとることがあります。レーザーの治療のあとに出ることがある色の変化(炎症後の色素沈着)に、飲み薬を用いることもあります。
どの治療を、どの順番で組み合わせるかは、しみの種類と肌の状態を見て、診察でご相談します。
光やレーザーの治療を受けたあとの肌は、一時的に紫外線の影響を受けやすくなることがあります。治療のあとも、日焼け止めなどで紫外線を避けることを続けてください。治療の間隔や、飲み薬を続ける期間も、肌の状態を見ながら決めていきます。
しみ・肝斑の治療のページもご覧ください。
診察でお聞きすること
- しみが気になり始めた時期と、濃さや範囲の変化
- これまでに受けたしみの治療と、使ったことのある薬や化粧品
- 日焼けをしやすい生活か(屋外の仕事・スポーツなど)
- 持病(血栓・心臓・腎臓など)と、飲んでいる薬(ピルを含む)やサプリメント
- 妊娠・授乳の有無や予定
しみの写真があれば、いつごろから変わってきたかを確かめる手がかりになります。スマートフォンの写真でもかまいません。
診察と処方の流れ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1 問診・診察 | 気になるしみの場所・時期・これまでの治療・持病・お薬・妊娠の予定をお聞きし、しみの種類を見きわめます。 |
| 2 ご説明 | 飲み薬が合うか、ほかの治療と組み合わせたほうがよいかをご説明します。副作用と費用もお伝えします。 |
| 3 処方 | 合う飲み薬を処方します。 |
| 4 経過 | しみの変化と体調を確かめて、続けるか、やめるか、ほかの治療を足すかをご相談します。 |
飲み始めてからの経過
しみの飲み薬は、飲み始めてすぐに変化が出るものではありません。しみの変化の出方には個人差があり、変化を感じにくい方もいます。
飲んでいる間も、紫外線を避けること、肌をこすらないことを続けてください。生活の中で紫外線を多く浴びると、飲み薬を続けていても、しみが濃くなることがあります。
定期的に受診していただき、しみの変化と体調を確かめて、続けるか、ほかの治療を足すかをご相談します。体調の変化や、気になる症状があるときは、すぐにご連絡ください。
費用(自由診療)
| 薬 | 量 | 費用(税込) |
|---|---|---|
| シミ内服 | 1か月 | 3,850円 |
| トランサミン | 90錠 | 1,650円 |
| ユベラ | 90錠 | 880円 |
自由診療のため、健康保険は使えません。上記のほか、診察料(初診 3,300円・再診 1,650円・税込)がかかります。治療回数・治療期間は個人差があります。診察のうえでご案内します。
よくある質問
- 飲み薬だけで、しみは消えますか?
- しみの種類によります。肝斑や炎症後の色素沈着などには飲み薬を用いますが、くっきりした濃いしみは、飲み薬だけでは変わりにくく、光やレーザーの治療が向くことがあります。
- どのくらい飲み続ければいいですか?
- 個人差があります。しみの変化と体調を見ながら、続けるかどうかをそのつどご相談します。
- 市販薬と一緒に飲んでもいいですか?
- 同じ成分を重ねて飲みすぎることがあります。市販薬を飲んでいる方は、必ずお知らせください。
- 副作用はありますか?
- 胃の不快感・吐き気・発疹などが出ることがあります。血栓のある方など、注意が必要な方がいます。
- ピル(経口避妊薬)を飲んでいます。
- 飲んでいる薬は、すべて診察のときにお知らせください。血栓に関わる持病や薬がある方は、慎重に考えます。
- 妊娠中・授乳中でも飲めますか?
- 診察でご相談ください。妊娠中・授乳中の方は、受けられません。
- 肝斑かどうか、自分で分かりません。
- 肝斑は、ほかのしみと重なっていることも多く、見分けが難しいことがあります。診察で見きわめます。
- 飲んでいる間も、日焼け止めは必要ですか?
- 必要です。とくに肝斑では、紫外線を避けることが最も大切とされています。
- 保険は使えますか?
- 美容を目的としたしみの治療は、自由診療です。
- 飲み忘れたら、どうすればいいですか?
- 飲み忘れに気づいたときの対応は、処方のときにお伝えします。
- レーザーの治療と一緒にできますか?
- 組み合わせることがあります。しみの種類と肌の状態を見て、順番をご相談します。
- にきびのあとの茶色い跡にも使えますか?
- 炎症後の色素沈着には、紫外線を避けることとあわせて、飲み薬や塗り薬を用いることがあります。診察でご相談ください。
- 飲み薬をやめると、しみは戻りますか?
- 紫外線や肌への刺激が続くと、しみが濃くなることがあります。やめたあとも、紫外線を避け、肌をこすらないことが大切です。
- しみが急に増えた・形がいびつです。
- しみではない病気のこともあります。気になるものは、早めに診察を受けてください。
- 化粧品で隠しても大丈夫ですか?
- 化粧品で隠すことはできます。落とすときに肌を強くこすらないようにしてください。
- ほかの病院で処方された薬を飲んでいます。
- 飲み合わせを確かめるため、お薬手帳をお持ちください。同じ成分の薬を重ねて飲むことのないように確かめます。
- 男性でも飲めますか?
- 飲めます。しみの種類と体の状態を確かめて処方します。
- 電話でのお問い合わせ・ご相談はこちら
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