逆さまつげ(眼瞼内反症・睫毛内反)の治療

まつげが目に当たってゴロゴロする、涙や目やにが多い、目が赤くなる、というお悩みは、まつげが内側を向く「逆さまつげ」かもしれません。

当院は形成外科のクリニックです。まぶたのどの部分が原因でまつげが内側を向いているのかを診察で見きわめ、状態に合った治療をご提案します。逆さまつげの手術は保険診療です。

形成外科のクリニックで、医師が診察し、手術を行います

2つのタイプ症状放っておくと子どもの逆さまつげ年齢による逆さまつげ手術費用よくある質問

はじめに知っておきたいこと

逆さまつげとは?
まつげが目の表面(角膜や結膜)の方を向いて、目に当たっている状態の呼び名です。医学的には、原因によっていくつかの名前に分かれます。
どんなタイプがある?
子どもに多い「睫毛内反」と、年齢とともに起こる「眼瞼内反」が代表的です。原因になっている部分が違います。違いを見る
治療は?
まつげを抜くと一時的に楽になりますが、また生えてきます。原因を直すには手術を考えます。手術を見る
保険は使える?
逆さまつげの手術は保険診療です。費用を見る
子どもは?
成長とともに自然に良くなることが多いため、症状を見ながら手術の時期を考えます。子どもの逆さまつげ

逆さまつげの2つのタイプ

まぶたは、表側の「皮膚と、目を閉じる筋肉(眼輪筋)」と、裏側の「まぶたの形を保つ硬い板(瞼板)」が重なってできています。逆さまつげは、このどの部分に原因があるかで、大きく2つに分けられます。

下の図は、下まぶたを縦に切った断面の模式図です。左が子どもに多い睫毛内反、右が年齢とともに起こる眼瞼内反です。

下まぶたの断面の模式図。睫毛内反はまぶたの縁の向きは正常でまつげだけが目の方へ倒れ、眼瞼内反はまぶたの縁ごと内側へ回る

図の左の睫毛内反では、まぶたの縁の向きは正常ですが、表側の皮膚と筋肉が余って縁の上に乗り上がり、まつげが押されて目の方へ倒れます。右の眼瞼内反では、まぶたの縁そのものが、硬い板ごと内側へ回り込んでいます。

睫毛内反(子どもに多い)眼瞼内反(年齢とともに)
多い年代子ども(とくに乳幼児)年齢を重ねた方
起こり方まぶたの縁の向きは正常で、まつげだけが目の方へ倒れるまぶたの縁ごと、内側へ回り込む
おもな原因表側の皮膚と筋肉が、裏側の板に対して余っているまぶたの横方向・縦方向のゆるみ
起こりやすい所下まぶたの目頭側に多い下まぶたに多い
経過成長とともに自然に良くなることが多い自然には良くなりにくい

まつげの生える向きそのものがばらばらになる「睫毛乱生」という状態もあり、これは原因も治療も違います。どのタイプかで手術の方法が変わるため、まず診察で見きわめます。

症状

  • 目がゴロゴロする・チクチクする
  • 涙が多い・目やにが多い
  • 目が赤くなる(充血)
  • まぶしい
  • 目をこする・まばたきが多い(子ども)
  • 見えにくい・かすむ

子どもは、症状を言葉で伝えられないことが多いため、よく目をこする、まぶしそうにする、涙や目やにが多い、などの様子がきっかけで気づかれることがあります。

放っておくとどうなる?

まつげが目の表面にくり返し当たると、黒目の表面(角膜)に細かい傷がつきます。傷がつくと、ゴロゴロ感や痛み、充血、涙が続きます。

傷が続くと、細菌が入りやすくなったり、角膜がにごったりして、見え方に影響することがあります。子どもでは、角膜の傷による乱視などが、視力の発達に影響することもあるため、眼科での視力の確認も大切です。

まつげを抜くと一時的に楽になりますが、まつげはまた生えてきます。生えかけの短く硬いまつげは、かえって目を刺激することもあります。くり返す場合は、原因を直す治療を考えます。

子どもの逆さまつげ(睫毛内反)

子どもの逆さまつげは、ふっくらしたまぶたの皮膚と筋肉が余って、まつげを目の方へ押している状態です。顔の成長とともに、まぶたの皮膚が引きしまって、自然に良くなることが多いとされています。

子どものまつげは細くやわらかいため、目に当たっていても症状が軽いことがあります。そのため、まずは目の表面の傷の具合を見ながら、経過を見ることが多い病気です。

一方で、成長しても良くならない、角膜の傷が強い、充血や目やにをくり返す、まぶしさが強い、乱視などで視力の発達への影響が心配される、といった場合は、手術を考えます。当院では、局所麻酔で手術ができる年齢になってから、手術を行います。それより小さいお子さんで手術が必要なときは、全身麻酔で手術を行っている病院をご紹介します。

目の表面の傷や視力の確認は、眼科での診察が必要です。眼科との連携は、周辺の眼科や、もともと通院されている眼科への紹介になります。

年齢による逆さまつげ(眼瞼内反)

年齢を重ねると、まぶたを支える組織がゆるんできます。下まぶたでは、横方向のゆるみ(まぶたの両端を支える靭帯や硬い板のゆるみ)と、縦方向のゆるみ(まぶたを下へ引く筋肉の膜が、硬い板から外れたり薄くなったりすること)が重なって、まぶたの縁ごと内側へ回り込みます。

さらに、目を閉じる筋肉(眼輪筋)が、まぶたの縁の上に乗り上がるようにずれて、内側へ回る力が強くなることも原因の1つとされています。

年齢による逆さまつげは、自然には良くなりにくく、まつげが角膜に強く当たり続けることが多いため、手術で原因のゆるみを直すことを考えます。

手術

逆さまつげの手術は、まつげが目に当たらないように、まぶたの縁の向きと、まつげの向きを直す手術です。タイプと程度によって、方法が変わります。

当院で行う手術

当院では、局所麻酔をして、上まぶたの二重のラインを切開し、ゆるんだ膜(腱膜)を前に出して留め直すことで、まぶたが内側を向いているのを直す手術を行います。下まぶたの逆さまつげの手術も行っています。

下に書く方法は、逆さまつげの手術として一般に行われている方法の説明です。

子どもに多い睫毛内反の手術(一般の説明)

余っている皮膚と筋肉を整え、まつげの根元の皮膚を、まぶたの硬い板の側に固定して、まつげが外を向くようにします。皮膚を切って行う方法(皮膚切開法)と、切らずに糸でつなぐ方法(埋没法)があります。

埋没法は、切らずに済む一方で、再発することがあり、合う方が限られます。どちらが合うかは、まぶたの状態と程度を見て決めます。

年齢による眼瞼内反の手術(一般の説明)

下まぶたを下へ引く筋肉の膜を、まぶたの硬い板の下の縁に付け直して、縦方向のゆるみを直す方法が、日本ではよく用いられます。

横方向のゆるみが強い場合は、まぶたの外側を短くして、目尻の骨の膜に固定する方法を組み合わせることがあります。原因のゆるみに合わせて方法を選ぶことで、再発を減らすことを目指します。

下の図は、年齢による眼瞼内反で、下まぶたを引く膜を付け直す手術を表した模式図です。

下まぶたの断面の模式図2つ。左は下まぶたを下へ引く膜が瞼板から離れている状態、右は膜を瞼板に付け直した状態

手術の流れ

ステップ内容
1 診察まつげの向き・まぶたの縁の向き・ゆるみの程度・目の表面の傷を見ます。
2 手術の相談手術の方法・起こりうること・費用・通院の予定をご説明します。
3 手術局所麻酔で日帰りの手術を行います。手術の時間は、方法とまぶたの状態によって変わります。
4 抜糸と経過手術から約1週間後に抜糸をします。抜糸のあと、まつげの向きと目の表面の傷の回復を確かめます。

手術のあとの経過とリスク

手術のあとは、まぶたの出血・痛み・内出血・腫れが出ます。出血や痛みは、少しずつおさまっていきます。腫れは時間とともに落ち着いていきます(個人差があります)。

抜糸のあとは、まぶたにむくみが出ます。血のめぐりがよくなるとともに、少しずつ引いていきます(個人差があります)。

時期起こりうること
手術の直後出血・腫れ・内出血・痛み・涙が出やすい
治る途中血腫(まぶたの中に血がたまる)・感染・傷の赤み・縫った糸の反応
治ったあと逆さまつげの再発・矯正の不足・まぶたが外を向きすぎる(外反)・まぶたの上がり方の不足・左右差・傷あと
そのほかしびれや、さわった感じが鈍くなる(知覚鈍麻)・目の乾き・目のくぼみ・皮膚のひきつれ・黒目の表面(角膜)の傷

これらの症状があるときは、受診してください。

直しすぎると、まぶたが外側にめくれる(外反)ことがあるため、まつげの向きとまぶたの縁の向きを確かめながら、手術を行います。

矯正が足りない場合や再発した場合、左右差やまぶたの形が気になる場合は、もう一度手術(修正の手術)が必要になることがあります。

手術のあとの過ごし方

  • 手術の当日は、湯ぶねには入らないでください。シャワーは浴びられますが、傷はぬらさないようにしてください。
  • 手術の当日は、お酒をひかえてください。
  • 抜糸までの間は、長いお風呂・サウナ・激しい運動をひかえてください。
  • 出血が多いとき、赤み・腫れ・痛みが強くなるときは、ご連絡ください。
治療を受けられないことがある方
  • 次の方は、治療を受けられないことがあります。事前にお知らせください。
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 心臓の病気がある方、ペースメーカーや埋め込み式除細動器を使っている方
  • 糖尿病の合併症がある方
  • 膠原病など、自己免疫の病気がある方
  • 出血しやすい病気がある方、ワーファリン・アスピリンなど血液をさらさらにする薬(抗凝固薬)を飲んでいる方
  • ステロイドや免疫抑制剤で治療中の方
  • いま治療中の病気がある方
  • 薬のアレルギーがある方
  • 光過敏症の方
  • 治療する所に、腫れ・炎症・感染症がある方
  • 治療する所に、金の糸や金属のプレート、シリコンが入っている方
  • 最近、ヒアルロン酸注入やスレッドリフトを受けた方
  • ケロイドのある所の治療を希望する方、ケロイド体質の方
  • ヘルペスウイルスに感染している方
  • 日焼けをしている方
  • 治療する所に、入れ墨(タトゥー)がある方
  • 診察のうえ医師が不適当と判断した場合は、手術をお断りすることがあります。

費用(保険診療)

逆さまつげ(眼瞼内反症・睫毛内反)の手術は、保険診療です。手術の点数は、方法によって次のように決められています(令和8年度の点数表)。

手術の方法点数3割負担の目安
縫合法(糸で留める方法)1,990点5,970円
皮膚切開法2,590点7,770円
眼瞼下制筋前転法(膜を付け直す方法)4,230点12,690円

表の金額は手術料だけの目安です。実際には、診察料・麻酔・お薬などが加わります。片側か両側かでも変わります。

お子さまの医療費は、お住まいの市区町村の医療費助成の対象になることがあります。

料金表を見る

眼瞼下垂との関わり

年齢とともに、まぶたのゆるみは、逆さまつげだけでなく、まぶたが下がって目が開きにくくなる「眼瞼下垂」として出ることもあります。どちらも、まぶたを支える組織のゆるみが関わる病気です。

上まぶたの皮膚のたるみが、まつげを押し下げて目に当てていることもあります。この場合は、たるんだ皮膚を整える手術で、まつげの当たりが良くなることがあります。まぶたの開きにくさも気になる方は、眼瞼下垂のページもご覧ください。

よくある質問

逆さまつげは自然に治りますか?
子どもの逆さまつげ(睫毛内反)は、成長とともに自然に良くなることが多いとされています。年齢による逆さまつげ(眼瞼内反)は、自然には良くなりにくいです。
まつげを抜けば大丈夫ですか?
一時的に楽になりますが、まつげはまた生えてきます。生えかけの短いまつげが目を刺激することもあります。くり返すときはご相談ください。
何歳から手術できますか?
子どもは、成長とともに良くなることが多いため、症状と目の表面の傷を見ながら時期を考えます。当院では、局所麻酔で手術ができる年齢になってから行います。それより小さいお子さんは、全身麻酔で手術を行っている病院をご紹介します。
保険は使えますか?
逆さまつげの手術は保険診療です。
手術は痛いですか?
局所麻酔をしてから手術をします。麻酔の注射のときにチクッとした痛みがあります(感じ方には個人差があります)。
手術のあと、腫れますか?
まぶたの腫れや内出血が出ることがあります。時間とともに落ち着いていきます。
手術のあと、二重の形は変わりますか?
まぶたの皮膚を整える手術では、まぶたの見え方が変わることがあります。手術の前にご説明します。
再発しますか?
再発することがあります。とくに切らない方法(埋没法)は、合う方が限られます。原因のゆるみに合わせて方法を選びます。
上まぶたの逆さまつげも治療できますか?
診ることができます。上まぶたは、皮膚のたるみや眼瞼下垂が関わっていることもあるため、まぶた全体を見て方法を考えます。
眼科と形成外科、どちらに行けばいいですか?
どちらでも診察できます。目の表面の傷や視力の確認は眼科、まぶたの手術は形成外科や眼科で行います。当院では、まぶたの形と手術を中心に診察します。
コンタクトレンズは使えますか?
目の表面に傷があるときは、使うのを控えていただくことがあります。手術のあとに再開できる時期は、診察でお伝えします。

料金表・アクセス

電話でのお問い合わせ・ご相談はこちら

〈診療時間〉
月・火・水・金 9:30~17:30 / 土曜 10:00~13:30
※受付は診察終了の30分前までです。
※営業日が祝日でも、原則営業しております。

Webからのご予約・ご相談はこちら

当院は保険・自費診療とも完全予約制となります。
当日診療ご希望の際はお電話を頂ければと存じます。

※お問合せメールを利用した固有のサービスに関する営業メールはお断りします。